新型コロナウイルス奮闘記(令和4年3月1日掲載)

新型コロナウイルス奮闘記

名張市立病院 看護部

 

 令和2年1月、民間客船での新型コロナウイルス感染症に関する報道を、日本国内のニュースでありながら、遠くの出来事のように聞いていたのが一転し、同年4月から当院は感染者を受け入れることになりました。感染症専門医と、感染管理認定看護師が中心となり、感染者の受け入れ体制や、感染予防対策を整え、自治体病院に勤務する看護師(医療従事者)としての使命感のもと、この感染症との闘いが始まりました。

 受け入れ病棟の看護師をはじめ、すべての看護師とそのご家族がどれほど大きな不安と、葛藤を抱いたか、はかり知れません。自分自身が勤務しようと思っていても、「同居の家族に感染させてしまうのではないか」という戸惑いや、「コロナ病棟に勤務しないでほしい」という家族の言葉など、板挟みの状況に日々悩んでいました。さらに、小さな子供がいる看護師は、「子供が差別を受けるのではないだろうか」と、辛い思いに苦しみながら勤務していました。

 また、この感染症は一番大切な「人との繋がり」を遠ざけ、入院患者様とご家族の時間を容赦なく奪いました。「最期の時」でさえも・・・。やむを得ない面会制限により、患者様の傍で看取ることも出来なかったご家族の涙を見ながら、どうする事もできない悔しさに苦しむこともありました。それでも看護師は、今まで当たり前とされていた看護の在り方を覆される状況になっても、可能な限りタブレット面会や電話説明など、新たな対応に切り替え、少しでも患者様とご家族の時間を過ごせるよう工夫してきました。そして、そのスタイルがいつしか当たり前に置き変わりました。このように、私たち看護師は、どんな時も患者様とそのご家族への姿勢を変えることなく向き合ってきました。

 第2波、第3波と、次々に感染の波が押し寄せる中、防護服を着用し、数分で汗だくになる真夏、検査の容器を持つ手も凍える真冬を越え、2年が過ぎました。今も早朝から、正面玄関や駐車場でトリアージや検査に、看護師や病院職員が奮闘しています。第6波の感染力は、多くの社会活動を止め、病院の従事者やその家族にも容赦なく押し寄せ、今もなおマンパワーをさらっています。多くの市民の方が不安にさらされる日が続く中、ワクチン接種もウイルスの勢いと競い合うように続いています。

 環境が大きく変化する状況の中、私たち看護師は、「患者様やご家族の心や身体が少しでも元気になって頂けること」をこれからも変わらない目標として、最前線で様々な困難に立ち向かっていきます。いつかマスクに隠されない素晴らしい笑顔いっぱいの社会、暮らしを取り戻し、コロナ時代を駆け抜けた日々を思い出話にできる日が来ることを願い、これからもコロナと向き合い、どんな波も乗り越え、市民の皆様のために闘っていきます。