- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）
- その他（DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数
| 年齢区分 | 0～ | 10～ | 20～ | 30～ | 40～ | 50～ | 60～ | 70～ | 80～ | 90～ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 患者数 | 389 | 77 | 40 | 89 | 137 | 248 | 583 | 1135 | 1017 | 467 |
上表は、退院患者さんを10歳刻みで年齢階級別に集計したものです。
当院は、地域医療支援病院として幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しており、令和元年度の全退院患者数は4,182人でした。その中でも、70歳、80歳代が多くの割合を占めており、全体の約62.6％（前年比＋0.2％）となっています。また、当院は24時間365日の小児救急医療体制を整えており、10歳未満の小児の患者さんの数が多いことが特徴です。
年齢階級別の主な疾患を挙げると、10歳未満はウイルス性肺炎、インフルエンザ、気管支肺炎があり、10代・20代は骨折や外傷などの整形疾患を中心に様々な疾患があります。30代は腸炎・虫垂炎など消化器系の疾患があり、40代～70代では狭心症や心房細動などが各階級で割合が高くなっています。また、60代～80代では白内障が一番多くなっており、70歳以上になると、誤嚥性肺炎、心不全、大腿骨骨折の割合が高くなっています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）
内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 050050xx02000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等１ なし、１,２あり 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 110 | 4.78 | 4.40 | 0.91 | 70.85 | |
| 040081xx99x00x | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 108 | 21.53 | 20.84 | 8.33 | 83.20 | |
| 050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等１ なし 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 107 | 20.44 | 17.71 | 6.54 | 86.67 | |
| 050050xx99200x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等１ ２あり 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 105 | 3.10 | 3.15 | 0.00 | 71.93 | |
| 050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等１ １あり 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 101 | 2.77 | 3.01 | 1.98 | 69.74 |
内科で最も多い症例は循環器内科における狭心症・慢性虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査及び治療です。血管内にカテーテルを挿入し、心臓の冠動脈の狭窄程度を検査したり、血管を拡張させる治療（ステント治療）を行っています。また、治療後のフォローとして数ヶ月おきに検査を行い、その後の経過を確認しています。
次に多い症例は誤嚥性肺炎です。嚥下能力の低下により起こりやすくなる疾患のため、当院でも高齢の患者さんが多く、平均年齢は約83歳となっています。
3番目に多い心不全は、心筋障害によりその機能が低下し、静脈の流れが遅くなり、肺うっ血、体液貯留、浮腫などが特徴として現れる疾患です。こちらも高齢の患者さんが多く、平均年齢は約86歳となっています。
その他、総合診療科では尿路感染症の治療や睡眠時無呼吸症候群の検査入院、循環器内科では心房細動等に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術（アブレーション）を行う予定入院、消化器内科では胃腸炎の治療や胆管炎に対する内視鏡的乳頭切開術を行っています。
整形外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 102 | 31.61 | 25.94 | 50.00 | 82.78 | |
| 160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。） 手術なし 定義副傷病 なし | 48 | 21.83 | 19.40 | 16.67 | 78.98 | |
| 160760xx97xxxx | 前腕の骨折 手術あり | 41 | 3.00 | 5.54 | 0.00 | 57.05 | |
| 160800xx99xx0x | 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 定義副傷病 なし | 22 | 9.45 | 14.43 | 81.82 | 79.00 | |
| 160980xx99x0xx | 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等２ なし | 21 | 24.10 | 19.59 | 47.62 | 78.29 |
整形外科で最も多い症例は高齢者の大腿骨近位部（股関節）の骨折に対して人工骨頭挿入術を行った症例です。胸椎や腰椎といった脊椎の骨折、前腕の骨折、骨盤の骨折も多く、整形外科の症例のうち大半が骨折の症例です。
急性期治療後は、病状が安定した患者さんに対し、在宅や介護施設への復帰に向けて、地域包括ケア病棟への転棟やリハビリ病院などへの転院を積極的に行っています。
外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 060100xx01xx0x | 小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。） 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし | 35 | 2.43 | 2.63 | 0.00 | 69.49 | |
| 060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア（15歳以上） ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 29 | 5.55 | 4.85 | 0.00 | 68.31 | |
| 060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 25 | 6.00 | 5.45 | 0.00 | 43.00 | |
| 060020xx99x30x | 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２ ３あり 定義副傷病 なし | 18 | 3.11 | 6.39 | 0.00 | 65.72 | |
| 060330xx02xxxx | 胆嚢疾患（胆嚢結石など） 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 17 | 7.00 | 6.37 | 0.00 | 61.65 |
外科で最も多い症例は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（EMR）を目的とした入院です。ほとんどの患者さんが1泊2日での予定入院となっています。その他、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胃癌、胆嚢結石などの胆嚢疾患といった症例が上位疾患に挙げられますが、外科では部位や治療内容ごとに多岐にわたる症例の診療を行っているため、全症例に対する比率が低くなっています。よって、上表にはありませんが、大腸がんや乳がんなどの治療も多く行っています。また、がん診療においては、地域の医療機関と連携を図りながら、退院後の通院による化学療法の実施など継続した治療が可能となっています。
小児科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 040070xxxxx0xx | インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等２ なし | 79 | 4.76 | 5.73 | 0.00 | 1.71 | |
| 0400801199x00x | 肺炎等（1歳以上15歳未満） 手術なし 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 78 | 4.97 | 5.69 | 0.00 | 2.90 | |
| 060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等２ なし | 35 | 3.89 | 5.39 | 0.00 | 4.20 | |
| 040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症（その他） 定義副傷病 なし | 28 | 5.14 | 6.19 | 0.00 | 1.25 | |
| 040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 25 | 5.24 | 6.64 | 0.00 | 3.32 |
小児科の上位疾患には、インフルエンザ、肺炎、急性気管支炎、喘息などの呼吸器疾患やウイルス性肺炎・腸炎といった感染症疾患が多くみられます。
その他、てんかん、川崎病、アレルギー疾患、脱水症で全身状態不良の症例など、多種多様な症例に対する診療を行っています。
また、小児救急の受入医療機関として24時間365日、入院可能な体制を整えています。
脳神経外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 25 | 3.52 | 7.34 | 4.00 | 66.44 | |
| 010050xx02x00x | 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 21 | 14.24 | 11.86 | 4.76 | 75.52 | |
| 160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | 21 | 6.95 | 9.67 | 4.76 | 77.95 | |
| 010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10未満） 手術なし 手術・処置等１ なし 手術・処置等２ なし 定義副傷病 なし | - | - | - | - | - | |
| 010060x2990401 | 脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満） 手術なし 手術・処置等１ なし 手術・処置等２ ４あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 | - | - | - | - | - |
市内唯一の脳神経外科として、脳振盪、急性・慢性硬膜下血腫、脳卒中（脳梗塞・脳出血・くも膜下出血）、頭部挫創などに対する治療を主に行っています。手術や脳血管リハビリテーションといった治療を通じて、早期の在宅復帰を目指しています。
その他、水頭症、脳腫瘍、発作性頭位めまい症、未破裂脳動脈瘤など多種多様の症例を診療しています。
眼科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 （自院） |
平均 在院日数 （全国） |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 223 | 3.00 | 2.78 | 0.00 | 75.34 | |
| 020200xx9710xx | 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等１ あり 手術・処置等２ なし | - | - | 6.71 | - | - | |
| 020240xx97xxx0 | 硝子体疾患 手術あり 片眼 | - | - | 5.95 | - | - | |
| 020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 | - | - | 5.09 | - | - | |
| 020180xx97x0x0 | 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等２ なし 片眼 | - | - | 7.29 | - | - |
眼科で最も多い症例は白内障であり、約91％を占めています。白内障に対しては、2泊3日で水晶体手術を行っています。
その他、黄斑変性、硝子体疾患糖尿病性網膜症や眼瞼下垂症に対する治療も行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
| 初発 | 再発 | 病期分類 基準（※） |
版数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
| 胃癌 | - | - | - | 26 | - | - | 1 | 7 |
| 大腸癌 | - | 16 | - | - | 11 | - | 1 | 7 |
| 乳癌 | 10 | - | 10 | 15 | - | - | 1 | 7 |
| 肺癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 7 |
| 肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | |
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
5大癌とは日本で症例数が多い胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんのことをいいます。
当院では、5大癌の症状で入院された患者さんのうち、胃がんが約30.8％、大腸がんが約33.3％、乳がんが約30.8％、肺がんが約4.4％、肝がんが約0.6％（10件未満のため上表には記載されません）となっています。
UICC病期分類が不明に分類されている症例については、治療前の検査入院に該当する患者さんが多く、入院中には検査結果が出ない場合があり、当該入院中の情報のみでは病期分類ができないことなどが理由として挙げられます。
※UICC病期分類とは、がんの進行度を判定する基準として国際対がん連合によって定められた分類方法で、1.原発巣の大きさと進展度、2.所属リンパ節への転移状況、3.遠隔転移の有無によって各がんをI期（早期）～IV期（末期）の4病期（ステージ）に分類するものです。
※初発とは、当院において当該腫瘍の診断、初回治療を実施した場合を指します。
※再発とは、当院、他施設を問わず初回治療完了後に当院で患者さんを診察した場合や、治療がん寛解後に局所再発、再燃または新たに遠隔転移をきたした場合を指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
| 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
|---|---|---|---|
| 軽症 | 12 | 9.67 | 53.58 |
| 中等症 | 146 | 13.88 | 80.76 |
| 重症 | 37 | 19.32 | 85.81 |
| 超重症 | - | - | - |
| 不明 | - | - | - |
市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた人に発症する肺炎で、成人市中肺炎診療ガイドラインでは、重症度0が軽症、1および2が中等症、3が重症、4および5が超重症と定義されています。
当院の成人市中肺炎の患者数は、最も多い中等症が約73％を占め、次いで重症が約18％となっています。
軽症の場合は外来治療が基本ですが、患者さんの状態により入院治療となる場合もあります。中等症以上では患者さんの平均年齢が80歳を超え、平均在院日数についても長くなる傾向にあります。これは、高齢の患者さんほど免疫力が低下して肺炎が重症化しやすく、背景に他の疾患を抱えている場合も多いことが原因の一つと考えられます。
脳梗塞の患者数等
| 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
|---|---|---|---|---|
| 3日以内 | 124 | 25.15 | 78.47 | 27.01 |
| その他 | 13 | 18.69 | 69.00 | 2.92 |
脳梗塞の患者さんについては、症状の進行防止や再発予防のために、脳梗塞の原因に応じた脳保護剤や抗血栓剤の投与を行っています。また、運動麻痺や言語障害などがある場合は早期からリハビリテーションを行い、身体機能の維持向上に努めています。
発症日については、3日以内の早期に入院される患者さんが約91％と多数を占めています。また、急性期治療後は約70％の患者さんが在宅や介護施設へ復帰しており、残りの30％の患者さんがリハビリ病院等へ転院しています。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位5位まで）
内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 等 | 79 | 1.47 | 5.29 | 3.80 | 71.68 | |
| K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 等 | 71 | 1.20 | 2.80 | 0.00 | 69.10 | |
| K7211 | 大腸ＥＭＲ（直径２ｃｍ未満 等 | 28 | 0.00 | 1.43 | 0.00 | 66.18 | |
| K5972 | ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 等 | 27 | 6.78 | 14.37 | 7.41 | 78.67 | |
| K5952 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 | 21 | 1.62 | 3.71 | 0.00 | 69.67 |
内科で最も多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術（PCI）です。狭心症や急性心筋梗塞などによる冠動脈狭窄に対し、血管にカテーテルを挿入し、閉塞部分をステントという網目状の金属製の筒などを用いて拡張し治療する手術です。
次に経皮的カテーテル心筋焼灼術（アブレーション）です。心房細動や頻拍性不整脈（上室性頻拍症、心房粗動、心室頻拍症）に対し、血管に電極カテーテルを挿入し、不整脈の発生源を熱することで焼灼し治療する手術です。
その他、房室ブロックに対するペースメーカー移植術、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（EMR）、下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管拡張術、肺塞栓症の塞栓予防のための下大動脈フィルター留置術なども行っています。
整形外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K0461 | 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 等 | 76 | 3.39 | 27.21 | 43.42 | 81.49 | |
| K0462 | 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 等 | 42 | 1.26 | 9.00 | 7.14 | 66.07 | |
| K0811 | 人工骨頭挿入術 肩、股 等 | 34 | 4.88 | 25.50 | 44.12 | 81.41 | |
| K0463 | 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手（舟状骨を除く。）、足、指（手、足）その他 等 | 26 | 1.00 | 23.65 | 7.69 | 60.58 | |
| K083 | 鋼線等による直達牽引 | 16 | 0.94 | 36.19 | 62.50 | 76.75 |
整形外科で多い手術は、肩甲骨、上腕、大腿及び前腕、下腿、手指などの骨折に対する骨折観血的手術です。
人工骨頭挿入術は肩関節の上腕骨頭や股関節の大腿骨頭が壊れて骨頭を保存して治療することが難しい場合に、金属製の骨頭と入れ替えて関節機能を取り戻す手術です。
その他、骨折経皮的鋼線刺入固定術、人工挿入物の除去術、手根管症候群に対する手根管開放手術などを行っています。また、高齢者が大腿骨頸部骨折をした場合には人工骨頭置換術を行うことが多いです。
外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K7211 | 大腸ＥＭＲ（直径２ｃｍ未満 等 | 33 | 0.21 | 2.27 | 0.00 | 70.97 | |
| K6335 | ヘルニア手術 鼠径ヘルニア | 31 | 0.45 | 3.87 | 0.00 | 64.39 | |
| K7181 | 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 等 | 26 | 0.35 | 5.42 | 0.00 | 44.31 | |
| K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 24 | 2.21 | 4.58 | 0.00 | 61.75 | |
| K7193 | 結腸切除術（全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術） 等 | 19 | 2.16 | 19.84 | 10.53 | 78.79 |
外科で最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（EMR）です。大腸ポリープなどの切除に対して行われます。多くの患者さんは1泊2日での予定入院で行われています。
次にヘルニア手術です。鼠径ヘルニアの治療は手術以外で治す方法がなく、薬などで有効なものがないため、比較的多い症例です。
その他、虫垂切除術、腹腔鏡下胆嚢摘出術、結腸切除術が上位となっています。
また、乳がんの患者さんに対して、乳腺悪性腫瘍手術も多く行っています。
小児科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K7151 | 腸重積症整復術 非観血的なもの 等 | - | - | - | - | - | |
腸重積症は特に乳幼児（生後6ヶ月前後）にみられ、腹痛、腹部腫瘤、粘血便が特徴です。原則として発症後20時間以内のものに対しては非観血的整復術を試みます。
脳神経外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 | 26 | 0.85 | 17.38 | 7.69 | 76.73 | |
| K1742 | 水頭症手術 シャント手術 等 | - | - | - | - | - | |
| K1643 | 頭蓋内血腫除去術（開頭して行うもの） 脳内のもの 等 | - | - | - | - | - | |
| K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング １箇所 等 | - | - | - | - | - | |
| K6101 | 動脈形成術、吻合術 頭蓋内動脈 | - | - | - | - | - |
脳神経外科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術で、慢性硬膜下血腫に対して極めて有効で予後も非常に良いとされています。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷後およそ1～2ヶ月経過して、硬膜下腔に血液が徐々に貯留して脳を圧迫する疾患です。この貯留した血液や血腫を除去・洗浄し、血腫腔内にドレーンを挿入する手術です。
その他、水頭症に対して貯留した脳髄液が体内の別の場所へ流れるような道を作るシャント手術、脳出血や急性硬膜下血腫などに対する頭蓋内血腫除去術、動脈瘤破裂によるくも膜下出血などに対して脳動脈瘤の根元を専用のクリップで挟み、動脈瘤から出血しないようにする脳動脈瘤頸部クリッピング、動脈形成術などを行っています。
眼科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K2821ﾛ | 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの | 226 | 0.00 | 2.02 | 0.00 | 75.23 | |
| K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの | 11 | 0.00 | 4.64 | 0.00 | 68.36 | |
| K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの | - | - | - | - | - | |
| K281 | 増殖性硝子体網膜症手術 | - | - | - | - | - | |
| K2193 | 眼瞼下垂症手術 その他のもの | - | - | - | - | - |
眼科で最も多い手術は白内障に対する水晶体再建術で、高齢の患者さんが多くなっています。他には、硝子体茎顕微鏡下離断術や硝子体網膜症手術、眼瞼下垂症手術なども行われています。
その他（DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
| DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
|---|---|---|---|---|
| 130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
| 異なる | - | - | ||
| 180010 | 敗血症 | 同一 | 16 | 0.38 |
| 異なる | 11 | 0.26 | ||
| 180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
| 異なる | - | - | ||
| 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 12 | 0.29 |
| 異なる | - | - |
入院契機「同一」とは、各傷病名欄の疾患が原因で入院、治療などを行ったことを示し、「異なる」とは、別の疾患で入院したが、その疾患よりも各傷病名欄の疾患の方に最も多く治療などを行ったことを示しています。
播種性血管内凝固症候群（DIC）は血液の凝固に異常をきたす疾患で、重篤な感染症、悪性腫瘍、白血病などに伴って起こる場合があり、早期診断と早期治療が重要です、原因疾患の治療を優先し、併せてDICの治療を行います。
敗血症とは感染に起因した全身性炎症反応症候群のことです。各種培養検査を行い、原因菌と原発感染巣を確認します。起因菌が判明した場合、その菌に対して適切な抗生剤を充分量投与します。
手術・処置等の合併症は、透析治療に必要なシャントが血栓などで閉塞して使用できなくなり、シャントの拡張や血栓の除去が必要になる場合や、ペースメーカーの電池消耗によりペースメーカーの交換が必要な場合などがあります。
更新履歴
2020/09/30