抗菌薬適正使用支援チーム(AST)について

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)

抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の薬剤師は注射調剤担当者と日々連携して患者様の腎機能などに合わせた抗菌薬の処方提案や実測した血中濃度から薬の用量の調節を提案するなどしています。

薬剤耐性など感染対策共通プラットフォームのデータを作成して全国の対応医療機関と連携して抗菌薬の使用状況や細菌の耐性状況などをモニタリングしています。

毎週の抗菌薬適正使用支援チーム(AST)カンファレンスでは、「ここぞという時」に使う幅広い種類の病原菌に効く広域抗菌薬を使用している患者様と注射用抗菌薬を開始して10日を経過した患者様を抽出し、患者様毎の状態と細菌培養や検査値などの情報を纏めて効率よくカンファレンスができるように準備しています。

感染管理認定看護師は、その知識と経験に基づいた救急外来や手術室での情報提供や、各病棟との連携など幅広くサポートして頂いています。

感染症専門医には症例解析と総合的なコンダクトして頂きカンファレンスを行い、抗菌薬処方医への処方提案や情報提供して抗菌薬の適正使用支援を行っています。

 

日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師
山本 順平

 

   < 名張市立病院では常勤薬剤師を募集しております >

 ASTの活動状況を少し紹介しましたが、AST担当薬剤師が就職した時は調剤業務に専念している時代でした。しばらくして服薬指導が始まり、あっという間にチーム医療が当然の時代となりました。これからも更に推進していきます。
 病院薬剤師の業務はとてもやりがいのある仕事です。
 当院では2019年2月に内服系調剤システム・調剤機器を一新し、2022年3月に服薬指導・持参薬管理・麻薬管理・血液製剤管理及び注射自動払い出しシステムを最新環境へ更新しました。
 現在、正規職員8名・薬剤師臨時職員1名・臨時技術補助員2名ですが、薬剤師の合言葉である「薬有るところ薬剤師あり」を実践すべく当院では薬剤師の募集を行っています。(令和4年4月現在正規職員3名程度) 名張市の基幹病院の薬剤師として活躍できるフィールドは沢山あると思います。その後1997年開院時メンバーの世代交代が迫っており、現在募集中の6年生薬剤師のフレッシュなメンバーに主役として活躍してもらえることを期待しております。

 

感染症専門医からのメッセージ

 近年、薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン策定や抗菌薬適正使用加算が新設され抗菌薬適正使用の推進は喫緊の重要な課題となっています。その中で当院は治療薬による最大の効果を得つつ、副作用リスクを最小限にとどめ、かつ耐性菌出現を抑制しながら早期退院につなげる質の高い感染症治療を目指しています。これらを実践していくにはAST担当薬剤師は必要不可欠です。
 当院では知識経験豊富なAST担当薬剤師を中心に各職種が連携し、和気あいあいとした雰囲気の中、毎週ラウンドを行っております。薬剤/疾患の基本的な知識の確認のみならず疾患の臨床的な重要ポイントも意識しながら、皆で知識/経験を共有しチーム力の向上に努めています。少しでも興味を持った方がいれば、気軽に見学に来て下さい。

 

日本感染症学会感染症専門医
日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
今井 雄一郎

 

感染管理認定看護師からのメッセージ

名張市立病院、感染管理認定看護師の城村と言います。近年、変化する医療の中で薬剤師の先生方のチーム医療への参画が強く求められています。感染対策などのチームに加わって頂き活躍されています。特にASTにおいては、中心的な役割を担って頂きチーム全体で話し合い、時には論議し時には大笑いしながら楽しくラウンドを行っています。

他の医療チームを含め、コミュニケーションも充分取れており薬剤師の先生方も楽しく、「興味のある分野での専門性も身につけることができる」と輝いて見えます。皆さんも仲間になって一緒に働いてみませんか?

日本看護協会感染管理認定看護師
藤永 和大