お知らせ

「IDカード」の携帯について

2011.06.30

医療事故防止のためにご協力お願いします

当院では、診察券(外来患者さま)・入院患者確認カード(入院患者さま)を写真のように携帯して頂いております。
安全な医療を確保するための一手段としまして、誤認防止を主目的とし、携帯をお願いしております。
ご面倒とは存じますが、何とぞご協力をお願いいたします。

id携帯診察券(外来患者さま)
診察券(外来患者さま)

id携帯入院患者確認カード(入院患者さま)
診察券(外来患者さま)

IDカード携帯の趣旨

 連日のように報道される医療事故については、皆さまも関心を寄せておられるかと思います。安全な医療環境を整えることについては、以前より厚生労働省から強い指導が行われていましたが、それでも、なお重大な事故が頻発することを鑑み、平成15年12月24日に同省より「厚生労働大臣医療事故対策緊急アピール」が発せられました。これを受けて現在、全国の医療機関において改めて安全管理に対する見直し作業が進められております。

 当院においては、病院医療安全管理委員会・リスクマネージメント委員会が設置されており、日常医療活動に関する調査・分析を踏まえ、可能な限りの安全策を立案・施行するよう努力しております。また、事故には至らないまでの、ニアミス(あるいは、インシデント、ヒヤリハットと言われる)も徹底的に調べあげ、その原因究明を行ってまいりました。その結果、いわゆる”患者誤認”と言われる要素が、かなりの部分でニアミスに繋がっていることが判りました。

 例えば、外来で診察の順番を待っている「柳本 太郎(ヤナモト タロウ)(仮称)」さんが、『次は自分が呼ばれる』と思っているところに、「山本 太郎(ヤマモト タロウ)(仮称)」さんと呼ばれたとき、受付へ進み、そして再度「山本 太郎(ヤマモト タロウ)さんですね?」と確認されても、「はい」と答えてしまう、そういう間違いです。

 明らかな同姓同名だけでなく、この例のように”同姓同名に聞こえる”ような場合も誤認は起こり得るのです。この”患者誤認”を予防するため、国内の病院では様々な手法が取られており、例えば全ての患者さまの顔写真を撮って診察券に貼り付けたり、手首にID番号をつけたリストバンドをはめたりするような方法です。

 当院での患者管理の特徴のひとつとして、「1人の患者さま=唯一のID番号」という1対1の管理を行い、それを外来・入院で共通とし、かつ生涯のものとする管理方法があります。このことを最大限に有効利用し、患者誤認を防ごうとするのが、今回のIDカード着用なのです。病院内におられる間は、スタッフから確認しやすいように、常にIDカードを患者さま自身に携帯して頂き、いわゆる”通行手形”のように扱って頂きたいのです。

 病院に入って、受付を済ませた時点からIDカードを首からぶら下げて頂くことによって、診察やレントゲン検査や採血やその他の検査を受けるとき、常にお名前とID番号とで患者さまご本人であることが、再確認することができます。我々スタッフは当然、患者さまのお名前をお呼びし、返事を頂くことで患者さま本人であることを確認をする訳ですが、更にもう一度、携帯されているIDカードを目で見ることで、繰り返し確認作業をすることになります。

 首からIDカードをぶら下げることに抵抗を感じられる方もあろうかと存じます。しっかりされておられる方も、認識障害のある方も、視聴覚障害のある方も、お子様も、ご高齢の方も、すべて共通して同じ確認性で本人確認を行いたいという目的なのです。つまり、IDカードをぶら下げることは、ご自身の安全確保だけでなく、他の患者さまの安全確保に繋がるものであるということをご理解して頂きたく存じます。

 何かとご面倒かとも存じますが、よろしくご協力のほどをお願いするしだいです。

名張市立病院 院 長
名張市立病院 リスクマネージメント委員会
委員長